市報ぎょうだ平成24年2月号と行田市HPにも掲載されていますが、第6回浮き城のまち景観賞の受賞作品が決定しました。今回は、水城公園と忍城御三階櫓です。市報ぎょうだに載っているのと同じアングルで写真を撮ってみました。
どちらも今の行田を代表する景観ですが、それがなぜ第6回なんでしょうか?もっともっと以前(例えば第1回)に受賞していてもいいのに。
それと関係がありますが、行田市が作った公園とお城に行田市で賞をあげるというのは、なんていいますか、お手盛りあるいは自画自賛と言えなくないでしょうか。賞金が出る賞ではないので、得る(盛る?)ものはといえば自作の権威と自作の名誉だけではありますけど。
ちょっとスッキリしないので、調べてみました。
浮き城のまち景観賞表彰要綱
浮き城のまち景観賞これまでの受賞作 第1回〜第5回
浮き城のまち景観賞審査委員会 会議録 第4回〜第6回
以下今回(第6回)分会議録ファイルへの直リンク
第6回浮き城のまち景観賞審査委員会(第1回)会議録(平成23年10月14日開催)(PDF:198KB)
第6回浮き城のまち景観賞審査委員会(第2回)会議録(平成23年12月2日開催)(PDF:135KB)
第1回からの受賞作を見てみると、第5回を境に賞の性格が変わったように思えます。
第5回浮き城のまち景観賞審査委員会(第2回)会議録に、次のような発言があります。
「賞の『内向きか』、『外向きか』 というのも大きな論点だと思う」
内向き=景観に対する市民意識の醸成を図ることにより、景観に配慮したまちづくりを進めるための賞
外向き= 他所から行田に来たときに見て欲しいと思えるものを選ぶ賞
内向き外向き論で言うと、第1回〜第5回の内田家長屋門までは内向きの賞、第5回の丸墓山古墳と今回の第6回は外向きの賞に該当します。
会議録を読んでみると、第5回の審査委員会で内向き外向きの議論が出たのに、今回第6回はその点(賞の目的)を市の事務局と審査委員会の間で共通の認識として持つことなく選考が進みました。それは次のような委員の発言があることから見て取れます。
「他所から行田に来たときに見て欲しいと思えるものを選んでいくべき」
「浮き城のまち景観賞として何を選べばいいのか、自分でもまだ整理ができていない」
その発言後も賞の目的、性格の議論をすることなく、今回は外向きの水城公園と忍城御三階櫓が選ばれました。
(目的)第1条 この要綱は、周辺環境と景観上の調和を図り造形意匠上優れた建築物等を 浮き城のまち景観賞(以下「景観賞」という。)として表彰することにより、良 好な景観創出のための市民意識の醸成を図り、もって地域の個性を伸ばす景観形 成に寄与することを目的とする。
とあります。ここに書かれている目的は完全に内向きです。
今回、外向きの作品が受賞したのは2つの理由があると推察できます。1つはのぼうの城、B級グルメ関連で市外から訪れる観光客が増えたこと。2つめは新規の応募作品が少なくなったことです。(1次ノミネート作品を見ればわかります)
今回浮き城のまち景観賞に水城公園と忍城御三階櫓が選ばれても、『はぁ?水城公園と忍城?第6回なのに何をいまさら?』という気持ちが正直なところです。
内向きの受賞作品であれば市民に対する啓蒙の意味がありますが、外向きの作品を選ぶのであればわざわざ景観賞などとせずに、観光名所としてアピールする事に力を注ぐべきです。
上記の理由から、浮き城のまち景観賞はその存在意義からもう一度議論される時期になっているのではないでしょうか。